不動産用語を調べる



■ 不動産用語集

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▲ がけ地 ( がけち ) 

傾斜が急なため通常の用途に供することができない土地をいい、一般に傾斜度が30度以上のものを指すが、厳密な定義はない。

不動産鑑定や資産課税において土地を評価する場合には、対象となる土地に占めるがけ地の割合に応じて評価額を減価する補正が適用される。

なお、がけ地とほぼ同様の言葉として「法地」があるが、法地は不動産取引においてよく使われ、土地造成によって作られたがけ地を指すことが多い。

▲ 花崗岩 ( かこうがん ) 

火成岩の一種。産出量が多く、磨耗に強いことなどから、床材・壁材などに多用される。ただし耐火性が小さいという欠点もある。

▲ 瑕疵ある意思表示 ( かしあるいしひょうじ ) 

「内心的効果意思」と「表示行為」は対応しており、一見正常な意思表示であるかのように見えるが、内心的効果意思を形成する際の「動機」に対して他人の強迫や詐欺が関与しているもの。

いい換えれば、内心的効果意思の正常な形成が他人の強迫・詐欺により阻害されている意思表示のことである。瑕疵とは「きず」という意味である。
瑕疵ある意思表示には、詐欺による意思表示と強迫による意思表示の2種類がある。

▲ 瑕疵担保責任 ( かしたんぽせきにん ) 

1.売買契約における瑕疵担保責任
特定物の売買契約において、その特定物に「隠れたる瑕疵(かし)」があったとき、売主は買主に対して損害賠償等の責任を負う場合がある。
このように、売主が買主に対して負うべき損害賠償等の責任を「瑕疵担保責任」と呼んでいる(民法第570条)。

「特定物」とは、取引当事者がその物の個性に着目して取引するような物のことであり、具体的には、美術品、中古車、不動産(土地・新築建物・中古建物)などのことである。
また「隠れたる瑕疵」とは、買主が取引において一般的に必要とされる程度の注意をしても発見できないような、物の品質・性能に関する「欠陥」のことである。

例えば、中古住宅の売買において、売買契約後に中古住宅に雨漏りが発生し、その原因が売買契約当時に存在した屋根の欠陥であるならば、売主は買主に対して「瑕疵担保責任」を負うこととなる。

このような売主が負うべき「瑕疵担保責任」の具体的な内容は次のとおりである。
1)買主は売主に損害賠償を請求することができる(民法第570条)。
2)瑕疵の程度が、売買契約の目的を達成できないほどに重大であるときは、買主は売買契約を解除できる(民法第570条)。
3)瑕疵担保責任を追及できる期間は、民法上には特に定めがない。例えば契約書において「中古住宅を買主に引き渡した日から1年間だけ売主は瑕疵担保責任を負う」と定めることも民法上は可能である。
4)損害賠償請求や契約解除ができる期間は「買主が瑕疵の存在を知った時から1年以内」に制限されている(これを「権利行使期間」という)。

なお、宅地建物取引業法や住宅品質確保法では、上記3)について特別な規制を設けている(詳しくは「瑕疵担保責任(宅地建物取引業法における〜)」「売り主の瑕疵担保責任(品確法における〜)」へ)。


2.建築請負契約における瑕疵担保責任
特定物の売買契約だけでなく、建築物などの建築請負契約についても、民法では請負人の「瑕疵担保責任」を定めて、注文者を保護している(民法第634条から第640条まで)。

この民法における請負人の「瑕疵担保責任」の具体的内容は次のとおりである。
1)建築請負工事の注文者は、請負人に対して建築物の欠陥についての損害賠償を請求することができる(民法第634条第2項)。
2)建築請負工事の注文者は、請負人に対して建築物の欠陥を補修する工事を行なうよう請求することができる(民法第634条第1項)。
3)瑕疵担保責任を追及できる期間は、民法第638条により「コンクリート造などの建築物では引渡しから10年、木造などの建築物では引渡しから5年」と定められているが、この10年・5年の瑕疵担保責任期間は契約により短縮できる。そのため実際の建築請負契約書では「引渡しから2年」とされることが多い。
4)損害賠償請求や補修工事の請求ができる期間は「注文者が瑕疵の存在を知った時から1年以内」に制限されている(民法第638条第1項)。

なお住宅品質確保法で、上記3)について特別な規制を設けて、注文者保護を強化している(詳しくは「請負人の瑕疵担保責任(品確法における〜)」へ)。

▲ 過失責任主義 ( かしつせきにんしゅぎ ) 

損害の発生について損害賠償責任を負うのは、故意・過失がある場合だけであるという私法上の原則。個人の行動の自由を保障するための原則であるとされ、民法はこの考え方を採用している。

しかしながら、事情に応じて損害発生の責任をより厳しく求めなければならない場合もあるとされ、民法の特例として、故意・過失がない場合にも損害賠償責任を負わなければならない(無過失責任)とされていることがある。たとえば、製造物責任については過失責任主義が適用されていないし、瑕疵担保責任も故意・過失がないことをもって免責されない。

なお無過失責任の根拠としては、危険を作り出す者はそれによる損害賠償の責任を負うべき(危険責任)、利益を得る過程で損害を与えた者はその利益を損害賠償に充てるべき(報償責任)、という二つの考え方がある。

▲ 過失相殺 ( かしつそうさい ) 

損害賠償額から過失相当分を差し引いて損害を負担することをいう。

賠償を受ける者にも過失がある場合に、負担を公平に行なうために適用される。

よく交通事故の損害賠償の際に問題となるが、これに限らず、債務不履行や不法行為による損害賠償について一般的に考慮される。過失相殺の割合は、裁判で確定した事例をもとに判断されるが、「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」が有名である。

▲ 貸主 ( かしぬし ) 

不動産の賃貸借契約において、不動産を貸す人(または法人)を「貸主」という。

不動産取引においては、取引態様の一つとして「貸主」という用語が使用される。

この取引態様としての「貸主」とは、「賃貸される不動産の所有者」または「不動産を転貸する権限を有する者」のことである。

 貸主は宅地建物取引業免許を取得している場合もあれば、そうでない場合もある。

 なお、不動産を賃貸することのみを業として行なう場合には、 宅地建物取引業の免許を得る必要はない。

▲ 瑕疵物件 ( かしぶっけん ) 

取引の対象となった不動産の当事者の予想していない物理的・法律的な欠陥(瑕疵)があったときの、当該不動産をいう。

例えば、土壌の汚染、耐震強度の不足などの発見は瑕疵となる恐れが大きい。不動産売買契約締結時に発見できなかった瑕疵が一定期間内に見つかった場合には、買主は契約の解除または損害賠償の請求をすることができる。

▲ 瑕疵保証 ( かしほしょう ) 

瑕疵が発見されたときにそれによって生じた損失を補填することを、あらかじめ約束すること。不動産に瑕疵があった場合には、売主が買主に対して瑕疵担保責任を負うのが原則であるが、それを補完するために、第三者が、瑕疵により発生した一定の損害を負担する仕組みがある。これが瑕疵保証である。

例えば、住宅の新築について工事請負人は引き渡しから10年間、住宅の構造耐力上主要な部分などについて瑕疵担保責任を負うが、住宅の性能を評価する制度を利用すれば、評価者がその瑕疵を保証する仕組みが用意されている。

▲ 貸家建付地 ( かしやたてつけち ) 

建物が存在している土地について、建物所有者と土地所有者が同一であるとき、この土地を「建付地」という。

ある土地が「建付地」であって、建物の種類が貸アパート・貸マンション・貸家などの賃貸用建物であるとき、その土地を「貸家建付地」と呼ぶ。

▲ ガス給湯器 ( がすきゅうとうき ) 

ガスにより瞬間的に湯を沸かし、台所・風呂などのへの給湯を行なうガス機器のこと。

給湯栓の蛇口を開くと同時に燃焼が始まり、水道の水圧を利用して給湯を行なう。
大きく分けて「ガス給湯器」「ガス風呂給湯器」の2種類がある。
また、浴槽の水を沸かす機能だけに特化したものは「風呂がま」と呼ばれる。

1.ガス給湯器
ガスの燃焼により瞬間的に湯を沸かし、台所・洗面台・風呂・シャワーの給湯栓まで湯を運び、給湯を行なう機器のこと。
かつては水温や通水量により湯温が変化するという問題があったが、近年では電子制御により火力をコントロールすることで安定した湯温が確保されている。

ガス給湯器の能力は号数で表示されている。この号数は「水温よりも25度だけ高温の湯を1分間に何L沸かすことができるか」を示したものである。一般的には4人家族の場合、24号またはそれ以上の号数のガス給湯器が推奨されている。

2.ガス風呂給湯器
台所・洗面台・風呂・シャワーへの給湯を行なうだけでなく、風呂の追いだき・沸かし直しという風呂がまの機能をも1台で兼ね備えた給湯器のこと。
追いだき時に給湯性能が低下することを防止するために、給湯用と追いだき用の2組の熱交換器を持ち、バーナーも別々になっているタイプが主流である。

ガス風呂給湯器の風呂の沸かし方については、湯はり・追いだきを自動的に行なうタイプ(オートタイプ)と、湯はり・追いだき・足し湯を自動で行なうタイプ(フルオートタイプ)という2種類がある。

なお、ガス風呂給湯器は設置場所により次の2タイプに分かれる。

1)自由タイプ
強制循環ポンプを備え、給湯器から離れた浴槽まで強制的に温水を送り出すもの。戸外に設置する。浴室に隣接して設置する必要がないため、間取りの自由さを確保しやすい。
2)浴室隣接タイプ
浴室に隣接した戸外に設置するもの。主に戸建て住宅で使用される。強制循環ポンプを備えたものと、強制循環ポンプがなく自然対流で浴槽に湯を送り出すものがある。

強制循環式のものは、ある程度設置場所を自由にすることができ、浴槽の高さと機器を設置する高さをある程度ずらすこともできる。
自然対流式では浴槽の高さと機器を設置する高さを合わせる必要があり、また水面に近い方から湯が出るために浴槽下部に冷水が溜まりやすいという面もある。

▲ 課税取引 ( かぜいとりひき ) 

課税取引とは、消費税が課税される取引のことである。

本来、消費税はすべての取引に対して課税されるのが原則であるので、物品の販売やサービスの提供は原則的にすべて「課税取引」であるとされている。
しかし、税の性格や社会政策的配慮により消費税を課税しない取引が存在する。これは「非課税取引」と呼ばれている。

具体的には、不動産取引に関連して次のものは「非課税取引」とされている。

1.土地の販売における土地の対価
2.土地と建物を一体として販売する場合における土地部分の対価
3.借地権の譲渡の対価
4.住宅の賃貸借における家賃・共益費・礼金・更新料

注意
・不動産仲介手数料は、たとえ上記1.から4.に関する仲介であっても、課税対象である。
・施設の整備された駐車場の駐車料は課税対象である。
・住宅の賃貸借であっても、その賃貸期間が1ヵ月未満の短期である場合はその家賃は課税対象である。
・住宅の賃貸借において授受される敷金・保証金は預かり金であるので、課税対象とならない。
・住宅の賃貸借において授受される敷金・保証金のうち将来返還を予定しない部分(関西におけるいわゆる「敷引」など)は家賃と同様の扱いであり、非課税である。

▲ 課税標準 ( かぜいひょうじゅん ) 

税額を計算するときに、税率を乗じる対象となる価額をいう(税額=課税標準×税率)。

例えば、所得税では所得控除後の所得額、法人税では利益額が課税標準であるというように、税の種類によって算出方法が異なる。また、所有権移転登記に係る登録免許税や固定資産税については、固定資産台帳に登録された価格が課税標準であるが、住宅用地などに特例措置が適用される場合には固定資産税の課税標準が減額されるなど、特別の措置があるので注意が必要である。

▲ 課税標準額 ( かぜいひょうじゅんがく ) 

課税において、課税金額を算出する上で基礎となる金額をいう。

税目に応じてそれぞれ一定の方法で算出される。

例えば、固定資産税については固定資産課税台帳に登録された不動産の価格(住宅用地等のように特例措置が適用されるときにはその適用後の価額)を、消費税については課税資産の譲渡等の対価の額(その譲渡等につき課されるべき消費税額および当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する額を控除したもの)を、それぞれ課税標準額としている。

▲ 片手 ( かたて ) 

不動産取引を媒介としたときの宅地建物取引業者の成功報酬の受取り方をいい、取引当事者の双方から受け取る場合を「両手」、一方のみから受け取る場合を「片手」という。

例えば、宅地売買において売り手・買い手の双方から媒介の依頼を受ければ報酬は「両手」で受け取ることができるが、売り手・買い手の媒介依頼先が異なれば、取引には両方の業者が関与することとなって、それぞれの業者が受け取る報酬は「片手」となる。

マルティプル・リスティングによって取引を成立させた場合の報酬は、一般的に「片手」である。

▲ 片流屋根 ( かたながれやね ) 

屋根形式の一つで、片側から一方向だけに勾配があるかたちのもの。

▲ 合体登記 ( がったいとうき ) 

建物に物理的な変更を加えて、数個の建物を構造上一体の建物にした場合に、それら数個の建物の登記記録を一つにまとめる登記のこと。

▲ 勝手口 ( かってぐち ) 

玄関とは別に設けられた、台所やサービスヤードへの出入りするための出入り口のこと。

茶室で、客が出入りする躙り口(にじりぐち)に対して、亭主が出入りする口(茶道口)のことも勝手口という。

▲ 合筆 ( がっぴつ ) 

土地登記簿上で数筆の土地を合併して、一筆の土地とすること。

▲ 合筆登記 ( がっぴつとうき ) 

数筆の土地を合わせて、一筆の土地にするという登記のこと。

合筆登記がされた場合、従来の数筆の土地の登記記録は閉鎖され、閉鎖登記簿へ移行する。
なお合筆登記をするには、地目が違う土地同士の合筆はできない。
また、所有権の登記(所有権の保存の登記または所有権移転登記)がある土地と、所有権の登記がない土地との合筆登記もできない。


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